デンソー福島その2|「気づき」「その気」「やる気」の3カ年計画とは?
気づき」「その気」「やる気」の3カ年計画とは?
斎藤
最初に3カ年の目標を立てたそうですが、新人社員が多いということもあり、3年くらいかかると判断したわけですね。
秋吉
当初の計画では、出向者は3年後に全員、帰任することになっていました。
新人社員については最初にもっと多く採用しても良かったのですが、継続的に定期採用するのが会社の方針で、出向者と入れ替わって仕事を進めるという計画もあり、3カ年の目標を立てたわけです。
斎藤
3カ年の目標というのは、どういうものだったのでしょうか。
秋吉
まず、デンソー福島を3年後に自立させることが一番の目標でした。
そこで、自立するにはどうすればいいのかを考えました。
私自身も中途採用で入社し、マザー工場で研修を2年半してきた経験があります。
そこで、先輩班長の教えや自分の経験をもう一度振り返り、3カ年でやるべきことをあてはめ、活動することにしたのです。
今回の活動のテーマは「気づき」と「その気」「やる気」です。
斎藤
まず、1年目が「気づき」ですね。
これはどういった形で取り組みましたか。
秋吉
ものづくりの新人が多かったため、ラインの異常と正常の区別が分かっていません。
彼らに「異常を気づかせる」ところを一番のテーマにして活動しました。
まず、あたり前である正常な状態を教え込みます。これが正常だということを認識させるのです。
それから、異常に気づくよう指導していきました。
次に、「その気」です。
気づきを得たメンバーを「その気」にさせるわけです。
「その気」にさせるため、私が前に立つのではなく、新人をどんどん前へ出し、やらなくてはならない環境を作りました。
斎藤
メンバーの皆さんは、恐らく最初は「私なんかが」と思っていたのではないでしょうか。どのようにして「その気」にさせたのでしょうか。
秋吉
朝礼や設備改善のミーティングなどで私が先頭に立ってしゃべるのではなく、新人のオペレーターらが前に出て情報を伝えるようにしました。
事前に私としっかり話し合い、「こんなことを打ち上げよう」とか「こういう話をしよう」と決めておき、それを新人に話させる形です。
斎藤
ただ単に新人にやらせるだけでなく、その前にきちんとフォローしたうえで前に立たせたわけですね。
秋吉
そうですね、そんなことを心がけていました。