株式会社日立メタルプレシジョンインタビューその3│経験させることの大事さとは?
株式会社日立メタルプレシジョン 品質保証部 品質保証1グループ 1係 係長 戸崎徹様、
小グループ活動のリーダー 門脇潤様にお話を伺いました。
日本能率協会の成富一仁がインタビューします。
(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)
経験させることの大事さとは?
成富
第一線監督者の集いの発表の中で、苦労されたことを解決する為の取組や考え方がいくつかあったと思うのですが、どの部分を一番大事にされたのでしょうか。
戸崎
最近、考えていることがあります。
これまで対話を持つとか、研修に行かせるということを大切にしてやっていましたが、やはり一番大事なのは、その作業者や班長に経験をさせることなのかなと感じます。
経験をさせるというのは、生産であったり品質であったり、人とのつながりであったり、組織としてやっていたことを、改めて自分から考えて実行していく、そうした時の達成感で人は成長していくのだろうなと思います。
様々な経験を積むと、知識として自分に身についていき、何かあった時には、その経験を活かして、もうひとつ上の段階に進めます。
そういうことを現場の作業者に経験させて、自分はそこで見守るといいますか、本当にまずいなと思ったら出ていきますけれども、ある程度は自由にさせて、考えさせて苦労もさせ失敗もさせます。その時、なぜ、失敗したのかを順をおって説明していくことで本人の知識として入ってきます。失敗はチャンスなんです。
そうさせることが7割ぐらい、そのほかの研修は、手法を学ぶぐらいの感じでしょうか。
やはり経験をさせることが一番大事と確信しています。
もちろん対話も大切ですけれども、私の立場としては、その人にやる気を持たせるようにすることが大事なのかなと、最近は考えているところです。
成富
門脇さんは役割としては様々な経験を積んでいるのではないかと思うのですけれども。
門脇
確かに、この1年、本当にいろいろと経験をさせていただいているのですが、ひとつ悩みが解消できたと思ったら、次の、また違う悩みが出てきます。
でも、それをマイナスには捉えずに、自分のスキルアップとしてプラスに持っていきたいという気持ちがあります。
言われたことは断らないで、とりあえずやってみて、ダメだったら、その時に言えばいいかなという考えです。
戸崎
それも「50点でいい」が大事です。
門脇
そうですね。
完璧を狙ってはいないので、とにかくやってみるということを自分の中のポイントにしています。
そういった点で、現場としては、戸崎さんの策略にうまいことはまって、狙い通りになっているのかなとも思います。
戸崎
自分で言うのもなんですけど、うちの現場は、この会社の中で一番いい職場だなと思っています。
発表を終えたあとに起こった変化とは?
成富
第一線監督者の集いでの発表が終わったあと、自分自身、あるいは社内で変化が起きた点はありますか。
戸崎
形のうえで変化があったのは、発表が終わってから、親会社である日立金属で、「第一線監督者 in 安来」という社内イベントが開催されるようになりました。
私たちが発表したあとから、そういう取り組みがスタートしたということで、今は第3回が終わったところです。
そこがまず大きな変化だと思います。
それ以外にも、様々な部署から発表の依頼があって、第一線監督者の集いが終わってから、発表を社内で実施しています。
それこそ会議室のようなところでも発表しましたし、大きな、100人ぐらいの前で発表したりもしました。
大会では、大きな会場で発表させていただいたので、もう恥ずかしくないといいますか、人前で発表することに、随分慣れたような感じになったのが、個人的には成長したところですね。
あとは、人前で発表して宣言してしまったからには、それを実行しないといけないというのがありますね。
成富
門脇さんはどうですか。
門脇
やはり、親会社の活動が、自分たちから始まったという嬉しさも感じますし、これからどんどん発展していってもらえればいいなと思います。「第一線監督者の集い in 安来」ができたことが、一番の変化になるのかなと思います。
成富
私自身も事務局をやっていて活動が広がる事は大変嬉しく感じています。
戸崎
日立金属の盛り上がりはすごかったですよね。
ポスターも貼られていたので、知らない人からも「あっ、こないだの発表の人だよね」とか、いろいろと声をかけられ、頭もでかい(笑)けど顔が広がり影響は大きかったと思いますね。
次回へ続く。