JFEスチールその2|リーダーに求められること
斎藤
まずは、人の問題ということですが、どのようなステップで取り組んだのでしょうか。
南部
まずやらなければならないと考えたのは、リーダークラスのスキルアップです。
先ほども、職場の若返りの話をしましたが、経験年数20数年のリーダーと10数年のリーダーでは、そのスキルに大きな差があります。
特に私たちの職場である熱延工場での、電気分野のメンテナンスを殆ど受け持っています。
範囲が広く、古い機器から新しい機器まで全部メンテナンスしなければならないのです。
まず必要になるのがそれぞれの機器に関する「知識」です。
それからメンテナンスを実行するうえでの「保全能力」、そしてみんなを引っ張る「マネジメント力」が求められます。
この3つが必要になるため、どうしても「経験」が非常に重要になってくるのです。
経験値がないと、仕事のやらせ方や若手への対応がうまくいかなくなることが考えられます。
そうすると業務を軌道に乗せることが難しくなります。
そのスキルをしっかりと上げてもらうのが、この取り組みの狙いなのです。
斎藤
具体的にどんなことをされたのでしょうか。
南部
まず、リーダーのスキルアップのための専門知識習得をめざしました。
リーダーになると専門知識が必要になる場面が増えてきますし、専門知識がないと、仕事のマネジメント力が低下してしまうのです。
そのためには、専門知識を教える人が必要なのですが、若返りのため、ベテラン人材が不足していました。教育する側の人材がいないわけです。
困った私は、この分野の専門知識に長けた元上司の1人に、なんとか教育の担当になってもらえないかと考えたんです。
当時少し違う仕事をしておられたので、本来であれば無理な話なのですが、室長や私の上司に頼み込んで何とか実現できました。
その方には今も頑張って教育担当を務めてもらっています。
(その3につづく)