JFEスチールその3|古い機器こそ教育が難しい

斎藤
どのように教育を進めていったのでしょうか。

南部
その方にやっていただいたのは、昔からある機器についてです。
最新機器は今の中堅クラスがいたころに入りましたので、だいたい皆、習得しています。

しかし、古い機器に関しては知識が乏しいのです。

そこで、トラブルが起きたときの対処法などを詳しく教えてもらっています。

いろいろな機器の中には、微調整が必要なものがあるほか、取り換えたあとにやらなければならないノウハウもあるのです。

もちろん、マニュアルや基準書は手元に持っています。

しかし、24時間操業ですから、トラブルはいつ発生するかわからない。もちろん夜中にも発生します。

そんなときにマニュアルや基準書を読む時間は惜しい。

そのために必要な知識を前もって教えているのがポイントです。

昔の資料やマニュアルを持ち出し、中堅どころからリーダーまでを集めて早く復旧させるための方法などを教育してもらっています。

時には一緒に機器を見て、「取り換えはこうやるのだ」と教えることもあります。

知識があれば、これまで故障を直すのに、たとえば3時間ほどかかっていたものが、1~2時間で終えることができるようになります。

斎藤
10年間の経験の差をこの教育で埋めようとしているわけですよね。

南部
そうですね。それと、こうしたリーダー研修の際に中堅層もつれてきますから、中堅層のスキルも同じように上がってくるんです。

(その4につづく)

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