JFEスチールその4|仕事のモチベーションを高める方法とは?
斎藤
若手の育成で注力したのはどのようなことでしょうか。
南部
一言でいうと、モチベーションのアップです。
しかし、こちらからひたすら「がんばれ」「がんばれ」というだけでは、モチベーションはなかなか上がりません。
給料を上げる権限は私にありませんから、私の若いときの経験を思い出し、上司や先輩にほめられることでやる気を出してもらおうと考えたのです。
故障やトラブルに対処していろいろな改善をした後で、上司らから「よくやった」といわれるとうれしいもので、ほめることは重要だと普段から感じていました。
中堅や若手に対してはほめるだけでなく、何か表彰してあげようとも考えました。
斎藤
QC活動などでの表彰でしょうか。
南部
たしかに、従来よりそういった社内表彰制度はありました。しかし、同じグループが何回も受賞するのは難しいですし、もう少し小さい単位、たとえば室や職場内で、表彰される頻度も高めていきたいと考えました。
簡単な改善でも構わないので、年間に最も結果を出した若手に、室長じきじきに、みんなの前で「今回はこういうことでがんばってくれました」といって表彰してもらうと、本人は非常にうれしく、なおかつやる気も増すのです。
作業長レベルの表彰を先に始めましたが、室の中で競い合って室長に表彰してもらった方がいいのではないかと考え、室単位で表彰しています。
斎藤
どういったテーマで表彰されるのですか。
南部
1つは改善ということがありますが、改善ばかりを表彰していると、同じ人が受賞するなど偏りが出てしまいます。
同じ人ばかり表彰されると、他の人のモチベーションが上がりません。
そこで、クリーン活動などいろいろなことを他にもやっていたことから、電気室を非常にきれいにしたり、整理整頓の5S活動をしたりした人も表彰しようと考えました。
それなら、誰もが受賞の対象となり、新人でもできます。
斎藤
いろいろな方にほめられる機会を与えようというわけですか。
南部
若手に機会を与えたということです。
(その5につづく)