日産自動車九州その5|世代間ギャップの克服法とは?
畑野
年配の方には会社を家族という意識を持つ人が少なくないと思います。
だから、今おっしゃったようなことに対し、それほど抵抗がないのではないでしょうか。
しかし、若い人は仕事を仕事と割り切っているケースが増えているように感じます。
そういう人たちから夢実現シートに対する抵抗感を感じていたことはありましたか。
逆に、実際にやってみたら若手も結構楽しんでいたとかはどうでしょう。
山下
若手は意外に年配の人と話したい気持ちを持っているようなのですが、年配の人は仲間意識が強く、若手に物足りなさを感じているようです。
年配の方はよく「若手は話しかけてこない」といっていました。
そこで若手に対し距離を感じないか尋ねると、年配の人の多くが「年齢の差は気にならない」と答えてくれました。
理由には、同じ年ごろのお子さんがいるからというのがありました。
私の部署の社員はほとんどが高卒です。
18歳で会社に入ってきて、いきなりほぼお父さんぐらいの年代の人とコミュニケーションをとらなければなりません。
今のところ、絵に描いたような現代っ子はまだ見かけませんが、監督者の目から見ると、18歳で社会へ飛び込んできた若手に年上の人とつき合うためのコミュニケーション能力を養ってあげるべきだと思います。
若手は携帯電話やスマートフォンとともに育ってきた世代ですから、横のつながりは非常に強いのですが、縦のつながりを持つのは非常に苦手です。
それで余計にコミュニケーションがうまくいかないように見えます。
その辺はしっかりと教えていきたいと思っていて、気づいたことがあるたびに声をかけるようにしています。
それと、若手が感じた職場に対する違和感を新たな視点ととらえ、職場改善の切り口として利用していきたいと考えています。
具体的にいうなら、「何でこんな無駄な残業をしなければならないのか」、「プライベートも大事なのに、なぜ休日出勤や仕事を家に持ち帰ることなどをしなければいけないのか」といった疑問です。
私が入社したころは昔ながらの職場でしたから、「実力を磨きたかったら自分で努力しろ」とよくいわれました。
私は今でもそういう考えを少し持っていますが、その考えはひとまず飲み込んで、新しい意見や思いを職場改善に生かしたいのです。
これからの時代、若手とはいっしょに解決策を探る方法が大事なのではないでしょうか。
畑野
上から「これが正解」と押し付けたところで、きっと反発を生むだけでしょう。
だから、相手がいっていることを理解したうえで、自分の考えも示し、新しい策を探そうというわけですよね。
山下
そうですね。
多分、今の60歳と20歳では、仕事に対する向きあいかたや想いが全く違うでしょう。
昔の人のように「仕事が」という強い思いや情熱はないにしても、仕事の面白みを伝えてあげたいと考えています。
畑野
先ほどの夢実現シートは他の人のものを見ることができますか。
山下
皆が見えるところに貼り出しますから、見ることができます。
畑野
貼り出すことで会話が生まれたり、コミュニケーションが変わったりしたことは感じましたか。
山下
ありました。
私の組は非常に野球好きが多いことが分かったのです。
今回、発表のアシスタントをした1人が野球部員で、最初はその人だけかと思っていたのですが、ソフトバンクファンの年配の方、熱烈なソフトバンクファンの女性社員、山口県の野球チームで4番打者をしていた期間従業員ら知らなかった情報が続々と出てきました。
その他で多いジャンルが釣り、旅行、ユーチューブ鑑賞です。
熊本県出身者が5人もいたことは、それまで知られていなかったことです。
ベテランに1人旅が好きな社員がいて、特に東京ディズニーランドのファンで、年間に3回以上行くそうです。
若手社員がその人に質問し、プレゼンをさせようとしています。
東京ディズニーランドの楽しいところベストスリーを写真付きで紹介する企画です。
子供じみているかもしれませんが、意外に楽しそうにやっていますよ。
夢実現シートからわかったことを第2弾としてどんどん仕掛けていこうと考えています。