日産自動車九州その6|横のつながりが増えて変わった点とは?
八尋
それを今後、どう仕事と結び付けていこうと考えているのでしょうか。
山下
チームとしては従業員間の横のつながりを密にしていってほしいのですが、うちの職場は広いエリアの中に工程があり、隣の人とは20メートルぐらい離れています。
ずっと仕事をしていると、なかなかコミュニケーションが生まれません。
コミュニケーションがなくなると、隣の工程にいる人の顔色が悪くなっていても「だいじょうぶ」と声をかけなくなります。
日頃からコミュニケーションをとっていないと親近感がわかないのでしょう。
しかし、次第に「あれ、だいじょうぶですか」と声をかけるようになり、「あそこの人が体調悪そうです」と私のところに今までなかった情報が入ってくるようになりました。
チームとして横のつながりが少しずつ密になっていったのでしょう。
当初の目標達成に少し近づいたように思います。
会話をしないと、人は見るだけになってしまいます。
人間は8割方ネガティブな考えをしますから、会話をしていない人の印象については、悪い面ばかりが出てくるのです。
悪いところが8つも9つも挙がるのに、良いところを尋ねてもなかなか挙がりません。
良いところが出てきたとしても「遅刻しない」など当たり前のことばかりです。
しかし、チーム間の信頼関係やつながりが増したことで、異変に気付くようになったばかりか、仕事面では設備のトラブルから復帰するまでの時間が短くなるなどの効果が見られます。
仲間に対し興味が湧き、話しやすくなったことで色々な情報が届くようにもなりました。
これらがメリットです。
実際に組の目標達成率を見ていくと、KPIの丸が非常に多くなっています。
信頼関係は目に見えませんが結果的に、SQCD、安全、品質、原価、同期生産など多くの面で結果につながることになったのでしょう。