トヨタ紡織その4|他職種の仕事を理解する難しさとは?
近藤
このように説明すると、さらっと改善できたようにみえますが、実際は大変でした。
私たち製造部門には、設備の表面的なところしか見えておらず、中身が分かっていなかったことを痛感しました。
そこで保全も巻き込んで、機械の構造やメカニズム、ライン制御についても学んでいくことにしました。
斎藤
どのように学んでいかれたのでしょうか。
近藤
改善を進めるにあたってステップを決め、「まずはこれをやってみよう」「次はこれをやってみよう」とステップごとに少しずつ進めました。
「これはこういう構造なんだよ」というのを保全の方に教えてもらい、改善に取り組みながら設備のことをいろいろと学んでいきました。
村田
毎回エアーが供給できないわけではありません。
金型が約40何種ある中で、どのような問題が起きやすいのかなどの統計的なデータを金型の種類ごとに起きやすい、起きにくいというのを調べて、ではこの型のときがよく起きますね、というように、少しずつひも解いていきました。
壊れたものをまた直すのは処置、壊れないようにするのが改善です。
こういうメカニズムで壊れるというのは分かったのですが、ではどうやって壊れないようにしたらいいだろうかというところを、皆で考えていきました。
斎藤
TPM(Total Productive Maintenance)活動ですね。
村田
TPMという活動は、基本は製造現場での自主保全です。
本来は保全担当がやる業務ですが、製造側も設備を自分たちで自主保全して守るんだという思いをもつことが大事です。
斎藤
どのくらいの期間での活動だったのですか。
近藤
半年くらいです。
(その5につづく)