トヨタ自動車九州その2|メンバーの意見を引き出す方法とは?
畑野
チームは何人ぐらいで構成しているのでしょうか。
篠原
私の係では3組を見ていましたから、総勢62人になります。
62人もいれば本当にいろいろな考えや思いを持っています。
トップダウンでこちらから指示すれば、やってくれはしますが、それでは達成感がないはずです。
私が過去にそうでしたからね。
だから、大切になるのはメンバーの思いややりたいことを「いかに引き出すか」です。
その点に重きを置き、まずは話を聞いたうえで方向性を決めたあと、議論して腹落ちさせる必要があるでしょう。
それを繰り返してやってきました。
畑野
思っていることをいってくれと伝えたら、すぐに返事が来ましたか。
それとも、最初はなかなか意見が出なかったのでしょうか。
篠原
いや、出ませんよ。
なかなか出ませんよ。
特に、深い付き合いが古くないメンバーとは、普段からなかなか話ができていなかったのです。
そういうメンバーからは意見もでてきませんでした。
それで、こちらから業務外のプライベートの話などを持ちかけながら、コミュニケーションを深め、話ができる環境や雰囲気づくりを日ごろから心がけています。
畑野
信頼関係を築いていった結果、現場の雰囲気が変わった瞬間はありましたか。
篠原
最初はこちらから「こうやれ、ああやれ」と指示していましたから、メンバーの顔色にもやらされ感がありました。
ただ、メンバーの意見を取り入れつつ、考えさせて、やったことの結果が見えてくる。その繰り返しのなかで、メンバーも達成感が生まれてきたのか、「次はこれをやりたい、あれをやってみたい」という声が上がるようになりました。
そうなってくると、職場に活気が出てきます。
このとき、職場、チームが回り始めたと感じました。
親睦会に、その席で意見をいってくれるメンバーが出てきました。参加するメンバーも増えてきましたね。
チームワークが良くなったと感じましたね。
親睦会は基本的に3カ月に1回は必ず開いていました。
2か月に1回のときもありました。
私が今の職位より1つ下の職長という立場で職場を見ていたときは、毎月やっていました。
やはりそういう場も大事だと思っています。
予定が入っていてどうしても来ることができない人がいますから、来たい人だけという形で始めました。そこからですね。