TOTOその4|発生源をつぶすための方策とは?
斎藤
ボトルネックになっていた工程へ人を配置することで短期的に成果が出たわけですが、本質的な改善についてはどういうことをされたのですか。
工藤
発生源をつぶすことです。
みんなでいろいろと原因調査などをやり、3つの対策を打ち出しました。
その結果、成果が出たのです。
脱泡時間を延ばすこと、硬化炉の温度を下げることなど、専門用語が出てきて分かりにくいのですが、さまざまな角度で何度も検証して進めました。
検証は他の製品に影響が出ないかというところまで突き詰めました。
斎藤
そこへ行き着くまでどれくらいの時間がかかりましたか。
工藤
半年近くかかりました。
斎藤
どのようなことに苦労がありましたか。
工藤
本当の要因を見つけるところが大変でした。
今回は3つの対策をしましたが、このうちの1つだけではだめだったのです。
3つの対策をすべてして初めて効果が出ました。
対策が1つだけならどうなるのかも検証しています。
斎藤
この改善活動には35人のメンバーがそれぞれの役割を持って参加したのでしょうか。
工藤
新人など、工程のことをよく分かっていない人もいましたが、いっしょにやってもらいました。
新人には新人ならではの意見があります。率直な疑問が新たな発想に繋がったりしました。
ベテランは今までの経験をもとにしゃべりますが、経験から出る意見も大切です。逆にそれに対して「そうではないのではないか」という意見も出ました。
全体としては結構、楽しくやれたと思いますし、ここを改善すれば楽になる、残業しなくてよくなる事が分かっていたのでモチベーションはみんな高かったです。
斎藤
それをリードしたのは工藤さんですか。
工藤
リーダーがメインになってやってくれました。
自分自身はフォローする側に回りました。
(その5へつづく)