トヨタ紡織その3|工場内での具体的な改善例とは?

斎藤
そのころ、ウレタン工程では大きな問題があったそうですね。

近藤
そうです。エアー供給装置が頻繁に停止する問題がありました。
故障が発生すると、製品が不良になり、使い物にならず廃棄になってしまいます。

斎藤
エアー供給装置というのはどんな場面で使うものですか。

桝谷
ウレタン工程というのは、金型台車という大きい台車があって、そこに金型が乗っています。

その金型の中にウレタン原料が入っていて、それをうまく成型させるために、上型と下型の型締めをしなければなりません。型締めの力が弱いと発泡したウレタンが金型の合わせ部から漏れてしまうからです。

そのため、エアーの力で型締め力を確保します。そのエアー供給装置の故障が頻繁に発生していました。そこに着目し、なんとか改善できないか、近藤中心に取り組むことにしました。

近藤
最初は私たちだけでやろうと思っていました。ですが、私たちは“設備屋”ではありませんので、設備に精通した保全の方々にたくさんの力を借りました。

私たちも設備について一緒に勉強して、改善を進めました。

斎藤
どうやって原因を突き止めていったのですか。

近藤
カメラを使った定点撮影により、エアー供給装置の動きを観察することで、原因の追及を進めました。

斎藤
原因はどのようなことだったのでしょうか。

桝谷
金型台車へエアー供給装置を接続する際、エ、従来は、金型台車の進行に対し、エアー供給装置が迎えに行くというやり方をとっていました。
ところが台車は、約1.5トンほどある重量物。観察を繰り返すうち、台車をとの接続時に供給装置に負荷がかかって管が折れていたことがわかりました。

原因が判明し、エアー供給装置に負荷をかけないためにも、迎えに行くのではなく、台車とエアー供給装置を機械的に連結させることで、お互いが追従しながら動作することができる機構に変えました。

(その4につづく)

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