ダイキン工業インタビューその1|取り組みの原動力となった座右の銘。
「何がなんでもやりきる」その不屈の闘志と愚直な姿勢が、不可能を可能にするアイデア創出の源泉となった。
第34回第一線監督者の集い:名古屋 最優秀事例賞受賞者のダイキン工業株式会社 杉浦智行さん(滋賀製作所 空調生産本部 滋賀製造部 製造第二課 チーフ)、小倉博敏さん(滋賀製作所 空調生産本部 滋賀製造部長)、福井規仁さん(滋賀製作所 空調生産本部 製造第二課課長)に日本能率協会事務局(JMA)がお話を伺いました。(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)
取り組みの原動力となった座右の銘。
日本能率協会「第一線監督者の集い・名古屋」事務局(以下「JMA」)
「第34回第一線監督者の集い・名古屋」第1日目に、「『これが我々の現場力』~当たり前を変えたファンのバランス検査」を発表され、最優秀事例賞をご受賞されましたダイキン工業 滋賀製作所の杉浦様に、お話しを伺います。
まずはご受賞おめでとうございます。
杉浦智行氏(以下「杉浦」)
ありがとうございます。
JMA
杉浦様のご担当業務や役割、これまでの活動なども含めて、今回、参加のきっかけと、社を代表して発表者に選ばれた率直な感想などをお聞かせください。
杉浦
きっかけは、今回の取り組みは3年続けていますが、活動報告を社内で何度も行っている中で「第一線監督者の集いに参加してみないか」と上司に勧められたことです。
率直な気持ちとしてはイヤでしたね(笑)。
まず社外でこのような発表を行ったことがないことと、2年前に先輩の発表を見たときに、自分にはまだまだできそうにないと感じたのも大きな理由のひとつです。
入社して5年目になりますが、まだ監督者としての経験が少ない私がこんな大きな大会に参加して、会社や上司に恥をかかせてしまうのでは、といった不安の方が大きかったですね。ただ上司からは「取り組みは間違っていないから、自信を持て」と言っていただき、このような場に出られるのならしっかり勉強しようと考えるようになりました。
取り組みをする中で、社内の人に褒められたり叱られたりもしましたが、それはしょせん身内の人たちなので、取り組みや自分が監督者としてどうなのかを社外の人に評価していただきたいという気持ちもありました。ですから、出場が決まってからは楽しみになっていましたね。
JMA
今回杉浦様を推薦された理由についてお聞かせください。
福井規仁氏(以下「福井」)
彼は大きな課題に対して「何がなんでもやりきるんだ」と本当に愚直にやり続けていました。そういった意味でモデルとなる人物なので、社外の方々にもご紹介できると考えました。いい意味であきらめが悪いというか。そこをみなさんに知っていただきたいと思いました。彼ならやりきってくれると信じて。
JMA
今回、今までにない検査機器をゼロから開発するという大変な取り組みでした。周りの人たちへの働きかけではご苦労されたのではないですか?
杉浦
派遣時代から現場に出ている時は誰とでも話す性格なので、関連部門の人とも現場ではよく話をしていて、社員になる前から顔見知りだったということはありました。そうでない人に対しては上司に相談して動いていただくなど、いろんなやり方で協力していただきました。
JMA
そこで起こったさまざまな課題を解決するにあたっては、どのようなことをされたのですか?
杉浦
専門的な方に聞くより、違う目線を持った方に聞いた方が新しい気づきがありました。今回の取り組みには過去の積み重ねで応用が利く部分もあるのですが、誰もがどうしたらよいのか分からない状態もありました。そこでは、知識が豊富な人の話も大切ですが、違う目線を持つ人からの話のなかから、「あ、こういうこともあるんだ」というひらめきがありました。
JMA
先入観を持たずに幅広くいろいろな方にご相談になったのですね。
杉浦
私の座右の銘が「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」で、昔から知らないのにやるということができなくて、すぐ人に聞いてしまうところがあり、逆にそれがよかったのかなとも思います。最近では、何でも聞くのではなく自分でまず調べて、わからないことを聞くように心がけています。
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