長野オリンパスその2|リーダーになってからの課題感とは?
斎藤
新しくチームリーダーになられたときの課題や取り組みについて、お聞かせください。
下村
まず最初に言われたのが「黒字化」でした。
グループとして黒字を達成させないと、職場存続の危機があり、部品コストを下げるようにと部長に釘を刺されていました。
1年でサプライヤーに勝てるコストを実現することが私の中で大きな課題となりました。
斎藤
今まで改善をたくさん積み重ねてこられて、周囲からも優秀な方という評価があったと思うのですが、そういう期待の中で、リーダーとして新しい職場をどう感じましたか。
下村
モールド分野は存続の危機に面していたこともあり、職場のメンバーたちも「どうせ何をやっても存続しないし」「私たちはどうせ職場がなくなるんじゃないか」という諦め感が非常に強い印象があります。
それが結果的に職場全体を暗くしていましたし、あまり他の職場と交流を持たずに壁を作っていた印象もありました。
斎藤
そんな中で、まずはチームを一丸とするようなコミュニケーションが必要だというお考えに至ったのでしょうか。
下村
そうですね。
最初は今までの経験で、楽しく仕事をすれば何とかなると思って動き出しました。
何でも楽しくやっていれば、自然と結果もついてくるという安易な発想でスタートさせたのですが、やはりそれだけではメンバーには響きませんでした。
存続の危機があるなか、モールド経験のない素人チームリーダーへの不信感が逆に増してしまった感じがしました。
メンバーとの壁も強く感じましたので、そこを乗り切るのが非常に大変な取り組みだったと思います。
須田
それまでは自分が頑張ればいいという立場だったのが、人をまとめる立場になって、どちらかというと少しプレッシャーをかけすぎてしまったのではないか、という感もありました。
少し空回りをして、逆に壁にぶち当たったのではないかというふうに私は見ていました。
下村
私自身、チームリーダーは大役と思っていましたので、余計に変な熱が入ってしまっていたのも事実だと思います。
チームをまとめて目標を達成させなければならないし、同時に部下の育成もしなければならないという両方の思いがありましたので、そこで空回りをしてしまったかなと思います。
小宮
熱量は相手とイコールでないと、通じ合わないですよね。
リーダーだけが熱くても部下は引いてしまうばかりなので、同じ熱量でいかないと難しいですよね。
(その3へつづく)