長野オリンパスその6|ビジョンをどう具体化したのか?
斎藤
ビジョンができた後、具体的に改善をどう進めるかというところでまた新しい仕掛けがあったと思いますが、そちらはどのように進められましたか。
下村
班活動です。ビジョンにあるHAPPYの頭文字ごとに班を編成しました。
例えば、HAPPYのAには、安心・安全をキーワードとして掲げています。
A班は安心安全を目標に掲げ、危険個所を徹底的につぶすことで、職場も安全になるしビジョンも達成できるということで、そういった班編成を展開しました。
班活動のポイントは、定期的に班編成とリーダーを変えることです。
リーダーもベテランを置かずに、若手を抜擢することで人材育成を狙いましたし、若手も責任を与えられ任されることで、モチベーションアップにもつながりました。
斎藤
あえて定期的にリーダーを変えるというのは、意図としてはどんなところがあったのですか。
下村
やはり若手の人材育成を目的としていました。
班毎、取組み内容が違うので、一つの班に固定すると、他の知識が身に付きません。だから定期的に変えることで幅広い技能や知識が身につき、人材育成がスムーズにいくと思いました。
斎藤
一連の取り組みをお聞きして、非常に戦略的だなと感じました。
結果的に設備の稼働率も上がるなど、数字での成果も出ていたと思うのですが、メンバーの方に対して数字のプレッシャーをかけるようなことはありましたか。
下村
それは敢えて、あまりしませんでした。
管理板を使って今の状況は伝えていますが、そこでは敢えてメンバーに対しては特にプレッシャーをかけず、リーダーには「このままだと目標達成が厳しいので、違う施策を考えましょう」などと個別で話をしました。
なるべくプレッシャーはかけずに、一緒に寄り添って指導するというかたちを取りました。
(その7へつづく)