長野オリンパスその7|具体的な成果と苦労した点とは?
斎藤
その結果、数字的な成果としては設備稼働率が20パーセント上がり、更にはコストも32パーセント下がったということでしたね。当初、存続の危機といわれていたような部分は、完全にクリアされたのではないでしょうか。
下村
そうですね。職場が大きく変革しましたし、安いコストで作れるような体制に変化したので、そこはクリアしました。
斎藤
では1年という期限もクリアされたのですね。
下村
はい。大変でしたけれど。
斎藤
一連の仕掛けのお話を伺いましたが、今思い返して一番苦労した点はどの辺でしたか。
下村
品質不具合が発生した頃はやはり私もイライラしてしまって、メンバーとぶつかった後の立て直しが非常に苦労しました。
上司や妻が背中を押してくれて、まずは謝るところから始めて、個人個人から信頼を勝ち取るところまでが大変でした。
信頼さえ勝ち取れば、あとはもう気持ちや言葉が相手に響きやすくなります。
1人でも信頼関係がないメンバーがいたら、そこからだんだん悪い雰囲気が広がっていきますので、徹底的に全員からの信頼を得ることに注力しました。
斎藤
今回の取り組みの中で、他に何かここが一番の成果だと思えるポイントがあれば、教えていただけますか。
下村
やはりメンバー全員の成長ですね。
そこが一番の成果だと思います。
数字的な成果ももちろんありますが、メンバーが自走して改善ができるような存在になったというところが、大きな成果だと私は思っています。
(その8へつづく)